邪(よこしま)な推測、略して邪推

またしても、コカコーラのCMの話なのだが、「ついでにステーキ!」とカツオが言った後に、「どこがついでなんだ、カツオ!」と怒鳴る波平の怒り方が尋常じゃないという話を結構耳にするため、なぜ波平があそこまで怒るのか勝手に推測してしまいました。
①みんなが飲み物を頼んでいるのに、一人だけ食べ物を頼んだこと→でも、よく考えたら、サザエは「買いに行くわよ!」とだけ言っているだけで、どこへ何を買うかを細かく設定していない。もし、「コンビニへ飲み物を買いに行く」という設定ならば、波平の怒りも多少は納得できるが、「スーパーへ買い物へ行く」という設定ならば、あそこまで怒るのは多少無理がありそうだ。
②ステーキ自体に対する怒り→設定上では54歳とは言え、原作では明治生まれであることを考えれば、波平の肉に対する観念は高級品ということなのだろうか?ましてや、ステーキと言えば、基本的には牛肉だけに(豚肉の場合はポークチョップになるらしい)、その観念はさらに確固たる物に思える。そんな高級品を何の躊躇もなく頼むカツオに対して、それぐらいの怒りをぶつけてもおかしくはなさそうだ。
うーん、何か違う気がしてならない……。あっ、そう言えば、波平が怒鳴った後、タラちゃんが「ですね」って言ってたな……。もしかしたら、そこにヒントが隠されているのかもしれない。だとしたら、答えは一つだ。
③カツオは家庭内で蔑ろにされている→ここ数年、日曜夜に「サザエさん」を見ていないので断言しにくいのだが、カツオの中の人の声が変わった辺り(正確には1998年夏ごろ)から、カツオの磯野家の中での扱いがかなりひどくなっていたはずだ。特に、サザエからはゴキブリ同然の扱いを受けていた回もあった程だし、その扱いのひどさは、カースト制度の最下層にも匹敵するかもしれない。もし、そうであるとすれば、波平の怒りもごく普通のものに思える。
つまり、「どこがついでなんだ、カツオ!」の後には、「貴様ごときが飲み物を頼むだなんて10億年早いわ!ましてや、ステーキだと?どの口がそんなことを言っているんだ?貴様なんぞ、わしの残飯で十分だ。この役立たずの穀潰しが!今度ナメた口を叩いたら、そのいがぐり頭を永久脱毛させるぞ!」が省略されているのである。で、家庭内でもそのムードが認知されているので、タラちゃんが「ですね」と言っても、許されるわけである。第一、母親がカツオを蔑ろにしている急先鋒だし。
あぁ、カツオがかわいそうだ。せめて「何だとこのクソ親父が!てめーが命の次に大事にしているてっぺんの髪の毛を抜くぞ、ゴルァ!」と心の中で思ってくれれば、救われるのだが……(救われないって)。
あぁ、暇な時間に色々と考えちゃったから、やけに話が飛躍しすぎちゃったな。しかもかなり邪な考えが入り混じっちゃったし。
余談〜「邪推」って字を、更に圧縮すると「雅」になるんだな。