I don't want to recall my youthful days

海辺のカフカ(下巻)」を読了する。以前「ノルウェイの森」を読んだときにも感じたことなのだが、村上春樹の作品は小説と言うよりも哲学書のような感じがする。主人公の少年や周りの人々がそれぞれの人生の中で何かの役割を果たしていく過程を追っていくうちに、不意にそんなことを思ってしまった。
で、何気なしに自分が主人公と同じ年齢である15歳の頃を思い出そうとしたが、触れてはいけない暗部を呼び起こしてしまったため、気が滅入ってしまう。
未遂に終わったけど家出をしたことや、愛の喪失、今の自分につながる人間不信の発端となる出来事など、よく考えたら15歳(一部16歳だが)の頃に集約されているではないか。ただ、尾崎豊のように盗んだバイクで走り出すことがなかったのが、今となっては悔やまれるところ(それ以前にバイクに乗れないし)。
でも、これ以上掘り起こすのはやめにしよう。ろくな事しか思い出せないのだから。