For the moment(Every Little Thing)

なぜか北朝鮮と並んで、今のニュースの最前線に立つディープインパクトの禁止薬物検出騒動。処分の結果次第では凱旋門賞は失格に終わってしまうだけに、由々しき問題ではあるとは分かっているのだが、正直マスコミの報道姿勢には疑問を感じずにはいられない。
一部のマスコミはディープを悪者扱いしているが、今回の最大の被害者がディープなのではないか。まさか、自分の意思でイプラトロピウムを摂取したわけでもあるまいし。幸い、日本のレースでの出走には影響がないので、残りのレースでディープの勇姿を見られるだけでも、個人的にはそれだけでも十分です。尚、無理はして欲しくないので、天皇賞・JC・有馬の3戦全てに出て欲しいとは望みません。
それと、今回の件にあまり気持ちが向かないのは、あまりにも周りが騒ぎすぎて正直ドン引きしているからである。ちょっと前までなら、スポーツ欄の片隅にでも乗ればいいような記事が新聞の一面を賑わせていることから、それだけ関心を持っている人が多いのは分かるのだが、競馬に関心のなかった輩まで巻き込んでギャーギャー騒がれると、陰ながら応援したいタイプとしては腰が引けてくるのである。
私自身、ビワハヤヒデから始まり、ダンスインザダーク、キングへイロー、ステイゴールドなど数多くの馬を好きになったが、正直ディープほど好きになった馬はいない。ディープがいなかったら、もう競馬に興味を抱いてなかっただろうし、一時期はディープが引退したら競馬を本当にやめようと思っていたくらいである。
ただ、他の人のように深くのめりこむことがなぜかできない。自分の全てを捨ててまで愛を捧ぐこともできないし、深く愛することもできないのである。自分の中の理性がブレーキをかけ、バカ騒ぎすることを阻んでいるのだ。そんなことでは真のファンとは呼べないというのであれば、それは甘んじて受け入れます。
ただ、ディープを応援する人の中には、あれこれ言わずにただ静かに見守りたいと願っている人もいるということだけは分かって欲しい。いや、分からない人には分かってもらわなくてもいいや。一線を画した存在として思われても構いません(今回の件をきっかけに、引退を撤回してもう一度凱旋門賞を目指して欲しいとかいう方は特に)。
あと、今日のニュースでも過剰なまでに密着しているマスコミを見て腹が立った。しかも、「周囲は緊迫した雰囲気に包まれております」などど他人事のように言っているが、その雰囲気を作り出しているのは他ならぬマスコミ連中ではないか。相変わらず、自分たちで原因を作り出しているのに、それを責任転嫁するのが上手い連中だな。ディープがそれに構う様子がなかったのがせめてもの救いだが、今後凡走続きで終わったら、間違いなく原因はマスコミにあるな。もっとも、それすら責任転嫁されそうだが。

で、まったくの余談なのだが、どうして明日の富士Sメジロマイヤーが出ているのだ。東京コースは合わないし、どう考えても勝機がなさそうなのに、なぜ? むしろ、翌週まで待ってスワンSに出た方がまだ好走する可能性があったと思うのだが。そんな訳で、さすがに今回は買う気になれません。たぶん、エアシェイディが勝つのではないかと。